
院長:菊地お気軽にご相談ください!
赤ちゃんを抱っこした瞬間に腰へ重さが集まる、授乳のあとに立ち上がると腰が伸びにくい、おむつ替えで前かがみになると痛む。産後はこうした動作が何度も続くため、「腹筋が弱くなったから筋トレをしなければ」と焦る方も少なくありません。
はじめ整骨院・整体院の菊地です。この記事では、産後の腰痛があるときにまず確かめたい身体の使い方、始めやすい運動、無理に続けないほうがよい状態についてお話しします。
産後の腰痛について全体から確認したい方は、産後の腰痛の症状ページもあわせてご覧ください。育児の合間にできることと、早めに相談したい状態を分けながらお伝えします。
腹筋運動を急がないでください
産後の腰痛では、赤ちゃんの重さそのものよりも、抱っこを続ける姿勢が負担につながることがあります。片方の腰へ赤ちゃんを乗せる、身体を後ろへ反らせる、肩を上げたまま抱えるといった動きが重なると、腰の筋肉は休みにくくなります。
授乳中も同じです。赤ちゃんの口元へ身体を近づけるために背中を丸めたり、腕だけで体重を支えたりすると、首から腰までが緊張しやすくなります。抱っこや授乳のたびに痛むなら、腰だけでなく赤ちゃんとの距離や座る位置も確かめてみてください。
出産後にお腹へ力が入りにくいと、「筋力が落ちたから産後の腰痛がある」と考えやすいものです。ただ、痛みには妊娠中からの姿勢変化、骨盤まわりの動かしにくさ、睡眠不足、抱っこや前かがみの反復など、いくつもの要素が関わります。
お腹の筋肉は、強く縮めるためだけに働くわけではありません。呼吸に合わせて胴体を支え、動くときに腰へ負担が集まりすぎないよう助ける役割もあります。筋力低下だけに目を向けず、今どこへ力が入りやすいかを考えることが大切です。
床から赤ちゃんを抱き上げるときや、授乳後に椅子から立つとき、腰だけを先に伸ばしていないか確認してみましょう。腰を反らせて勢いで立つ癖があると、お腹やお尻を使う前に腰の筋肉へ力が集まりやすくなります。
仰向けで膝を立て、鼻から息を吸って、口からゆっくり吐きます。吐くときに下腹部が軽く支えられる感覚を意識してみてください。お腹を強くへこませるより、息を止めずに動けることを優先したいところです。
肩や首に力が入る、腰が床から浮いて痛む場合は、力を入れすぎているかもしれません。吐く息を短くしても構わないので、身体を固めずにできる範囲へ戻しましょう。
椅子から立つときは、足裏を床につけ、お尻を少し後ろへ引いてから立ちます。膝を軽く曲げた姿勢から動き始めると、腰だけで身体を起こそうとする癖を減らしやすくなります。
抱っこで立つときも、赤ちゃんを身体へ近づけてから足で床を押します。立つ前に赤ちゃんを身体へ近づけるだけでも、腰から離れた位置で重さを支える場面を減らせます。
産後の筋トレは、産後何日目かだけで始める時期を決めるものではありません。出産の経過、体調、出血や傷の状態、産婦人科で受けた説明、普段の動作での痛みを踏まえて考える必要があります。
帝王切開後や、会陰部の痛みが残る時期、疲れが強い時期は、まず休息と日常動作の負担を減らすことを優先したいものです。運動について不安がある場合は、産後健診などで身体の状態を確認してから進めてください。
最初に目安になるのは、短い運動の最中だけでなく、その日の夕方や翌日に痛みが残らないかどうかです。腰の張りが増える、寝返りがつらくなるといった変化があれば、運動量を下げるか一度休みましょう。
痛みが落ち着いているときは、呼吸を使ったやさしい動きから始めます。体幹を強く固めることではなく、呼吸、お腹、骨盤の底、お尻が無理なく働く感覚を少しずつ取り戻すことが目的です。
次の二つは、長い時間を取れない産後の方にも取り入れやすい基本の動きです。痛みが出ないことを前提に、回数よりも呼吸のしやすさを大切にしてください。
仰向けで吐く息に合わせ、下腹部を軽く支える
腰を反らさず、お尻と太ももで身体を支える
お尻を持ち上げる動きでは、高さを求める必要はありません。腰が反る前に止め、ゆっくり下ろします。呼吸が苦しくなったり、腰に痛みが走ったりするなら、その日は呼吸だけに戻すほうが安心です。
産後の身体は、以前と同じように動けるようになるまで時間がかかることがあります。特に上体を起こす腹筋運動や、仰向けで脚を持ち上げる運動は、お腹の中央へ負担が集まりやすいため、早い時期から自己流で始めることは勧めにくいものです。
運動中にお腹の中央が強く盛り上がる、引きつる、痛むと感じる場合は、その動きを続けないでください。産後は腹直筋離開がみられることもあり、状態によっては腹部へ強く圧をかける運動を控えたほうがよい場合があります。
起き上がる腹筋運動や脚上げ腹筋は、腹直筋離開が気になる間は避ける選択肢があります。産後一年ほどを一つの目安にしながらも、出産後の回復には個人差があるため、運動を再開する時期は産婦人科などで確認してください。
筋トレをした直後に問題がなくても、夕方の抱っこや翌朝の起き上がりで腰痛が増すことがあります。その場合は、回数や姿勢が今の身体には負担になっていた可能性を考えます。
翌日に痛みが残る運動は続けないことを目安にしてください。できた量よりも、育児や睡眠に支障が出ないことを優先するほうが、無理のない運動習慣につながります。
自宅で運動する時間が取れない日でも、育児中の姿勢を少し変えることはできます。腰痛が続く方ほど、一日の中で腰を休ませる姿勢をつくれているか確かめておきたいところです。
授乳では、赤ちゃんを腕の力だけで持ち上げず、クッションや背もたれを使って高さを近づけます。おむつ替えでは、低い位置で長く前かがみにならないよう、できる範囲で自分の立ち位置や台の高さを工夫してみてください。
抱っこは同じ側ばかりになりやすいため、無理のない範囲で左右を替えることも大切です。痛みをかばう歩き方が続くと、腰だけでなく股関節や背中にも疲れが広がることがあります。
腰が痛いとき、すべてをストレッチや筋トレで対応しようとしないことも大切です。痛みの種類によっては、まず医療機関で状態を確認したほうがよいことがあります。
片脚まで広がるしびれ、脚に力が入りにくい感覚、横になっても強く痛む状態、発熱を伴う不調がある場合は、無理に運動を行わないでください。排尿や排便の変化があるときも、早めに医療機関へ相談したほうがよい状態です。
産後の出血が増えた、傷の周辺に痛みが出た、疲れが抜けず日常生活が難しいと感じる場合も、運動を休みましょう。自宅でできることと相談する目安を分けておくと、必要なときに迷いにくくなります。
産後の腰痛では、強い腹筋運動を急ぐより、呼吸を止めずに動くこと、お尻や足で身体を支えること、抱っこや授乳で腰へ負担を集めすぎないことが大切です。ストレッチと筋トレは、痛みのない範囲で段階を追って取り入れましょう。
今日からできる小さなことは、抱き上げる前に赤ちゃんを身体へ近づけること、授乳中に背中を預けること、立ち上がるときに息を止めないことです。こうした身体の使い方を続けることが、腰の負担を減らす土台になります。
腰だけでなく、抱っこ姿勢や日常動作、運動の進め方も含めて確認したい方は、はじめ整骨院・整体院へお気軽にご相談ください。

